皆さん妊活はどうですか?
体外受精の治療を行うこととセットで大切なのは体力づくりでもあります!偏らない食生活を意識して適度な運動!気持ちも体もリフレッシュして妊活頑張りましょう!
さて、妊活中で体外受精を検討または実践だと色々な情報や治療名が出てきますよね。
ネットなど調べていると初期胚移植とか胚盤胞移植となんだか未知の言葉がたくさん出てきます。
実はそれぞれ妊娠率が違ったり、相性があるのでとても大事なポイントなんです!
体外受精に興味がある方へこの記事では胚ごとの妊娠率をお伝えし、特徴にあったどの種類の胚移植を選ぶべきかをお伝えします!
あなたの状態にもっとも適した移植方法が見つかるとうれしいです。
体外受精でできた受精卵(胚)3つの違い
体外受精でできる受精卵、胚と呼ばれることが多いですが初期胚、胚盤胞、凍結胚と3つの種類があります。
それぞれを体質やタイプに合わせて体外受精治療を行いますが、移植は妊娠までの折り返し地点です。
受精卵が数日間培養庫の中で育ち胚となり、それがおなかに戻ってきます。
- 3つの胚の違い
胚は成長段階によって、名前が変わります。
- 初期胚(分割期胚):採卵から2,3日後の胚
- 胚盤胞:採卵から5,6日後の胚
*初期胚と胚盤胞は凍結せず採卵した数日後に移植するので、このふたつをまとめて「新鮮胚」と呼びます。
- 凍結胚:移植されずに残った胚を凍結したもの
これらの胚のどれかを移植するのですが、それぞれに特長があり、妊娠率が異なります。
どの胚を移植するのがよいのかを、考えていきましょう!
最も高い妊娠率の胚とは
結論からいうと……
受精した胚の中で一番妊娠率が高いのは、凍結胚移植です。
- 凍結胚
- 胚盤胞
- 初期胚
の順番に妊娠率が高くなります。
これが一般的なデータとなりますが、初期胚を移植することもあります。
ケースバイケースだね
あなたの状況に最も適した移植を選べるよう、少し勉強してみましょう!次の見出しでは、移植の種類ごとに比較していくよ!
初期胚と胚盤胞の妊娠率比較
凍結胚、胚盤胞、初期胚の特徴を比較してどの胚があなたに適した胚移植ができる受精卵なのかこちらのイラストともに見てみましょう。
初期胚移植(このイラスト内では「通常の胚移植」と記されています)の場合は、子宮内で胚盤胞になるのをぷかぷかしながら数日間待ちます。
胚盤胞移植では、着床寸前まで育っている胚を移植するので、着床までの時間が短くなります。
初期胚移植より胚盤胞移植のほうが妊娠率が高いのは、胚盤胞は着床寸前の状態で体内に入ることができるからですね。
では、次は実際の妊娠率の実績をグラフにしたものを見てみます。
https://www.tonan.kkr.or.jp/medical/section/rep/taigaijyusei.html
これは初期胚移植と胚盤胞移植の妊娠率比較を年齢別にグラフにしたものです。
なるほど、全年齢において胚盤胞のほうが結果が良い、ということが分かります。
なぜ、胚盤胞のほうが初期胚より妊娠率が高いのか、すべての年齢において胚盤胞が有利だということ、この2点が分かったと思います。
新鮮胚(初期胚と胚盤胞)と凍結胚の妊娠率比較
では、新鮮胚と凍結胚との比較はどうでしょうか?
こちらの表は、新鮮胚移植(初期胚移植と胚盤胞移植)と凍結胚移植の比較です。
着床率を見てみましょう。
新鮮胚の着床率は35.9%、凍結胚は58%です。やはり、凍結胚のほうが高いですね。
凍結胚がもっとも妊娠率が高い3つの理由
凍結胚は、冷やしたり解凍したり(37°→-196°→37°)、胚にかなりのストレスを与えますが、妊娠率が高い。不思議ですね。
なぜでしょうか?考えられる理由は大きく分けて次の三つ。
①胚が強い | 凍結融解に耐えられた=強い胚である、と考えられる |
②子宮環境が良いときに移植できる | 採卵直後は卵巣刺激などで子宮環境が乱れている可能性があるが、凍結胚移植は子宮の状態を整えてから行うため、胚が着床しやすい。
子宮内膜は受精卵のベッドとも言われますね。ふかふかの状態だと着床しやすくなります。 |
③凍結胚自体が若い | たとえば、現在40歳の人が移植をする場合、その凍結胚は35歳のときにできたものかもしれません。そのため、妊娠率が高くなるという結果につながっていると考えることもできます。移植のときに何歳かということよりも、採卵が何歳かということのほうが、妊娠率に大きく影響します。 |
初期胚移植のメリット・デメリット
こちらの表ではそれぞれの特徴とメリットデメリットをまとめました。
方法 | メリット | デメリット | |
初期胚移植 | 採卵後2.3日目に移植 | 移植キャンセルが少ない | やや妊娠率が低い |
胚盤胞移植 | 採卵後5-6日まで培養し、胚盤胞を移植 | 妊娠率が高い | 移植キャンセルになることがある |
凍結(融解)胚移植 | 凍結した胚盤胞を融解し移植 | 妊娠率が最も高い | 費用がかかる 移植キャンセルになることがある |
初期胚移植について表を見比べて説明します。
初期胚とは受精してから、4分割8分割というごく初期の状態で、採卵後2・3日しか経っていません。
つまり、3日間はひとまず成長している胚だということです。
これが時間を追うごとに成長を止めてしまう胚が出てきます。
胚盤胞まで行きつかない胚も出てきます。
それを懸念して、成長を止めてしまう前に初期胚の段階で移植してしまうのが初期胚移植です。
数日様子を見て胚盤胞になるのを待っていたら、胚が全滅してしまう恐れもあるので、ひとまず今、生きている胚(初期胚)を移植してしまうのです。
採卵5日目に出来上がる胚盤胞に比べると初期胚は妊娠率が低いのですが、それでも移植できないよりはよい、という見解です。
表中の「移植キャンセルが少ない」という意味が分かりましたか?
初期胚移植が適するタイプ
採卵数が少ない場合は、まずは初期胚移植を試みましょう。
年齢が高い場合、どうしても採卵数も少なくグレードの高いものも少ないので、妊娠率が低くても初期胚移植を薦められことが多いと思います。
クリニックによっては、すべての患者さんに対し初期胚移植をする方針のところもあります。それで妊娠してもしなくても、どのみち次は凍結胚移植になりますから、妊娠時期をずらしたい、あるいは子宮環境が悪いなどの理由がなければ、まずは初期胚を移植するという考え方です。
胚盤胞移植のメリット・デメリット
次は胚盤胞について、表と見比べながら見てみましょう。胚移植のメリットデメリット表はこちら
(内部リンク:表に飛ぶ)
胚盤胞は着床寸前の状態で子宮に戻るので、初期胚移植より妊娠率が高いといのが最大のメリット。
しかしながら、胚盤胞にまで到達できるのは10%程度です。したがって、採卵したし受精もしたけれど、一つも胚盤胞ができなかった、ということもあり得ます。
胚盤胞まで到達した胚ができなければ、移植自体ができません。つまり移植キャンセルが起こりうるということです。
胚盤胞移植が適するタイプ
採卵数が十分で、胚盤胞まで達する可能性がある胚がいくつかある場合は、初期胚移植をせず、胚盤胞まで待ってみてもいいでしょう。
少しでも妊娠率が高い方法を試したい人は、この移植も検討してみましょう。ただし、移植キャンセルになる可能性もあります。移植キャンセルになるとはすなわち、胚が全滅してしまうということ。次のIVF治療では、卵巣刺激・採卵から行う必要があります。
凍結胚移植のメリット・デメリット
凍結胚とは、採卵とは別の周期に、凍結されていた胚を使用して移植することです。
凍結を融解してから移植するので、「凍結融解胚」とも呼ばれます。
表と見比べながら、メリットとデメリットを読み解いていきます。胚移植のメリットデメリット表はこちら
凍結胚は融解の際にうまくいかないこともある(3~5%程度)ため、移植キャンセルになることもあります。また、凍結胚は凍結保存料金が必要であり、保存期間を更新するたびに料金がかかります。この2点が主なデメリットです。
しかしながら、子宮環境がベストな時や妊娠したいタイミングに移植することができ、妊娠率がもっとも高い移植法です。凍結胚によって第2子第3子を持つことも可能となります。
たとえば新鮮胚で妊娠できなかったとしても、凍結胚があれば、次の体外受精治療は、採卵が不要です。
採卵までの通院がとても負担になることを考えると、凍結胚があるということは、とても心強いことだと思います。
凍結胚が複数できれば、次の体外受精治療における採卵までのプロセスをショートカットでき、移植時期の選択肢が増えます。
凍結胚移植が適するタイプ
凍結胚を持っていることが大前提となります。
ほとんどのクリニックでは、まずは新鮮胚移植を試みてから、それで妊娠しなかった場合に凍結胚移植となります。
しかし、凍結胚がもっとも妊娠率が高いという特長を活かして、新鮮胚移植をあえて行わず、子宮環境を整えてから凍結胚を移植するという選択肢もあります。
不妊原因に子宮環境が影響している人は、新鮮胚を見送って、その間に子宮環境を整えて凍結胚移植に臨むというのも一つの方法ですね。
40代に適した移植とは
アラフォーの場合、どの胚を移植するのがいいのかな。
初期胚<胚盤胞<凍結胚の順に妊娠率が上がるので、一般的には凍結胚を移植するほうが、結果が出やすいといえます。
しかしながら、できる胚の数は、初期胚>胚盤胞>凍結胚の順にどんどん減っていきます。
もともとの採卵数が多ければ、凍結胚まで持ち込むことも可能ですが、採卵数が10個程度だと良好な胚盤胞まで1個たどり着くかどうか……。
若い人であれば20個ほど採卵できることもありますので、凍結胚も複数できるでしょう。40代では、10個取れればかなり大漁‼となると、凍結胚まで行きつかない可能性もあります。
こちらは私の採卵から移植・凍結までの報告書です。参考までにご覧ください。
当時41歳の私は、採卵数7、初期胚移植1、凍結胚1という結果でした。
最終段階である凍結までたどり着いたのは、7分の1というわけです。
- 移植の選択として王道
- 初期胚が数個の場合は、まず初期胚移植を試みる
- 初期胚が5個以上の場合は、初期胚移植をせず、胚盤胞まで育つことに賭けて数日待っという選択肢もある。
- 良好な初期胚が多くあり、新鮮胚盤胞を移植してもなお、まだ胚がある場合は凍結に回す
高齢で妊娠を目指す場合は、初期胚移植をまず行うのがセオリーとなっていますね。
つまり、持っている胚の数が少ない状況下では選択肢が限られてしまうのです。
採卵を複数回行える卵巣機能と覚悟がある場合は、初期胚移植をせず胚盤胞から始めるとう手もあります。
当時、私はまったくこの移植の違いを知らなかったのですべて病院のおまかせに進んだのですが、「胚盤胞まで待ってみる」というセレクトをしてみてもよかったかな、と今になって思います。
あなたの採卵数と年齢によって、どんな移植がよいかよく考えてみましょう。
まとめ
どの胚を移植するかで、それぞれメリットデメリットがあり、妊娠率も異なります。
妊娠率は初期胚、胚盤胞、凍結胚の順に高くなりますが、できる胚の数は初期胚、胚盤胞、凍結胚の順に少なくなります。
できた胚の数、年齢やご自身の体の状況に応じた最適な移植方法を選ぶことが肝要です!
- それぞれの移植にメリットデメリットがある
- 妊娠率は、初期胚<胚盤胞<凍結胚の順に高くなる
- できる胚の数は、初期胚>胚盤胞>凍結胚の順に少なくなる
- できた胚の数、年齢・子宮環境・妊娠したい時期に応じて、最適な移植方法を選ぶ
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